【大人になった今、ようやく気づけた心の声】 ──インナーチャイルドと向き合うということ
2025.08.17
「どうしてこんなに傷ついてしまうんだろう」
「自分でも、なぜ不安になるのかわからない」
そう感じる瞬間が、誰にでもあるのかもしれません。
表面では大人らしく振る舞っていても、
心の奥では、ずっと癒されないままの“幼い自分”が
今もそっと泣いていることがあるのです。
それが「インナーチャイルド」──
自分の中にある“もうひとりの私”の存在です。
1. インナーチャイルドとは、誰の中にもいる「幼い私」
「インナーチャイルド(inner child)」は、
心理療法の分野でも用いられている言葉です。
幼い頃の体験や感情、満たされなかった想いが
無意識の中で今の私たちに影響を与えていることを示しています。
「甘えたかったのに我慢してしまった」
「本当は泣きたかったけど、誰にも言えなかった」
そんな記憶や感情が癒されないまま残っていると、
大人になっても、人間関係や自己評価に影響することがあります。
インナーチャイルドは、誰にでも存在します。
それは決して「弱さ」ではなく、
過去を生きてきた証でもあり、
今のあなたの大切な一部なのです。
2. 「強くならなきゃ」と思ったそのとき、私はひとりだった
大人になるにつれて、
感情を抑えたり、誰かに頼ることを躊躇したり。
そんなふうに「強くなること」を選んできた人も
多いのではないでしょうか。
でも、感情は見て見ぬふりをしても消えてくれません。
ふとした言葉に深く傷ついてしまうときや、
理由のない孤独に襲われるとき──
それは、インナーチャイルドが
「わかってほしい」と声をあげているサインなのかもしれません。
「本当はこわかった」
「誰かにそばにいてほしかった」
そんな過去の私を、
今の私がようやく見つけてあげるときが来たのです。
3. 癒しは「自分で自分を抱きしめる」ところから始まる
インナーチャイルドを癒すために、
特別な方法や劇的な変化は必要ありません。
まずは、自分自身に語りかけることから始めてみてください。
「つらかったね」
「今までずっと頑張ってきたね」
そんな言葉を、
今のあなたがあなた自身にかけてあげるだけでいいのです。
人に求めても満たされなかったものを、
今の自分がそっと与えてあげること。
それは、他の誰かではなく、
“あなたにしかできない癒し”なのです。
4. インナーチャイルドは、あなたを責めているのではなく「待っていた」だけ
癒されない記憶があると聞くと、
「過去のせいにしているようで嫌だな」と思う方も
いるかもしれません。
でも、インナーチャイルドは
あなたを責めているのではありません。
ただ、「気づいてほしかった」だけ。
今ここにいる“あなた自身”が
その声にそっと耳を澄ませることで、
心の奥にあった緊張や不安が
少しずつやわらいでいきます。
過去をなかったことにしなくていい。
忘れようとしなくてもいい。
そのままの記憶と一緒に、
今を生きることはできるのです。
インナーチャイルドに気づくということは、
過去のあなたと、今のあなたが、手を取り合うということ。
どんなに時間が経っても、
あなたの中の“子どもだった自分”は
ずっとあなたに会いたがっていました。
その子の声に、どうか静かに耳を傾けてみてください。
「もうひとりじゃないよ」と伝えてあげられるのは、
ほかの誰でもなく、今のあなた自身なのです。
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