これでいい」と「これがいい」のあいだで
2025.11.16
心が少し疲れた日、
「これでいい」とつぶやくときがあります。
たとえば、うまくいかなかった恋。
期待していた返事が来なくても、
「これでいいんだ」と自分に言い聞かせて、
気持ちを落ち着かせようとする。
でも本当は、
心の奥では「これがいい」と思える未来を、
まだあきらめきれずに探しているのかもしれません。
1. 「これでいい」は、心の安全装置
「これでいい」という言葉は、
自分を守るためのやさしいクッションです。
たとえば、仕事で頑張ったのに結果が出なかったとき。
「これでいい」と思うことで、
失望や焦りから心を守っている。
でも、もしその言葉を口にしたあとに
少し寂しさが残るなら、
それは“ほんとうの納得”にはまだ届いていないというサインです。
2. 「これがいい」と言えるようになるには、時間が必要
たとえば、叶わなかった恋や、
思いどおりにいかなかった選択。
時間が経つと、
「あの経験があったから今の自分がいる」と思える瞬間が来ます。
それが「これがいい」と心から言えるとき。
最初は苦しかった出来事も、
振り返るとちゃんと自分を育ててくれていた。
「これでいい」と思えた日々の積み重ねが、
やがて「これがいい」に変わっていくのです。
3. どちらも“強さ”の形
「これでいい」は、今を受け入れる強さ。
「これがいい」は、自分の意志を信じる強さ。
たとえば、
誰かとの関係を終わらせるとき、
「これでいい」と言えるのは勇気です。
でも次に、「私はこれがいい」と
自分の幸せを選べるようになったとき、
あなたはもう一段、人生を信じる力を持っています。
4. 迷っているあいだに、人はやわらかくなる
「これでいい」と「これがいい」のあいだで揺れるとき、
人は少し優しくなります。
他人の弱さも、自分の未熟さも、
受け入れられるようになるから。
だから、迷っている時間は無駄ではありません。
心が折れそうな夜も、
次の光を受け取るための静かな準備期間です。
人生の多くは、
「これでいい」と言いながら進む時間でできています。
でも、その中のほんの一瞬だけ、
「これがいい」と思える出来事に出会えたなら、
それがあなたの人生を照らす光になります。
どちらの言葉にも、ちゃんと意味がある。
どちらを選んでも、あなたの心はちゃんと成長しています。
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